呼びかけ団体からの訴え

■全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 高英男副委員長 

  昨年7月より11月中旬まで139日に及ぶ生コン産業ゼネラルストライキは、単に共闘する4労働組合だけの力ではなく、生コン協同組合に結集する未組織・既組織を問わず多くの生コン専業である中小企業との共同闘争で闘われました。
 結果として11月に大手スーパーゼネコンを始めとする在阪ゼネコンのほとんどが、生コン適正価格(値上げ)に応じる成果を挙げました。
 しかし、ストライキ体制を解除した直後から、ゼネコンの圧力によるセメントメーカーの巻き返し攻撃が始まっています。
 昨年の関西における生コン産業ゼネストは、建設独占やセメントメーカーを慌てさせましたが、その支配を崩すまでには至っていません。しかし、労働組合や中小企業の共同闘争によって闘えば成果が得られることを示しました。大きく見える独占資本を中心とする支配側の力も「砂上の楼閣」であると言ってよいのです。
  私たちの闘いは、いまだ少数です。しかし、少数でも闘い方によっては社会を変える力を持っていることを示しました。このような闘いを多くの地域・職場でつくり出すことができれば、大企業を優遇し、労働者を苦しめるこの社会を変える力となるのです。
 本集会参加の多くの労働者と共に闘う決意を述べて連帯労組関西地区生コン支部のアピールとします。

■全国金属機械労働組合港合同 中村吉政副委員長


 故郷の澄んだ空気を放射能によって汚染され、充分な補償もなく、責任の所在さえもあいまいにし、ささやかな営みさえも奪い取った原発事故は人間の尊厳を奪うものであります。その上、TPP交渉が成立するならば、農民、漁民を問わず、多くの中小零細企業は壊滅してしまいます。これ以上どうしろというのでしょう。
 福島原発の事故は決して他人事ではありません。私たちの住む大阪も関西電力の原発によって供給されています。原発の敷地に断層が走り、津波が来なくても地震が起きれば事故が起きる可能性はあります。問題はこのような現実に私たちは目を向けてきませんでした。被爆国である日本が今度は世界に加害者として登場した事実に対し、我々はどのようにとらまえるかということが最大の課題です。
 この間、産業政策が大きく変化する中で、個人主義がはびこり、雇用形態の変化とあわせ、労働者の団結や、信義が薄れていきました。多くの労働組合は団結権、団体行動権を行使することなく、権利侵害に目をつぶってきたのです。 この数年間、労働組合運動は活気をなくし、権利の後退が顕著になっています。私たちは早くから「闘う労働組合のネットワーク」をつくるべく運動を続けてきました。運動の中心は「国鉄1047名解雇撤回闘争」でありました。闘いは終わっていません。私たちはこれまでどおりJR資本の不法行為を許さず、和解を拒否して闘う国労の仲間と動労千葉争議団の闘いに連帯して勝利させるまで闘う決意であります。

■国鉄千葉動力車労働組合  田中康宏委員長

大震災と原発事故はこの社会の支配構造の腐り切った本質をすべて暴き出しました。放射能汚染が子どもたちの生命を日々むしばみ、農漁業に壊滅的な被害をもたらし、労働者から職を奪い、今も数十万の避難民がさまよっています。
 しかし、この期に及んでも政府と財界はなお原発を推進しようとしています。200万福島県民は見殺しにされようとしています。さらには、膨大な労働者に襲いかかる解雇・非正規職化攻撃、社会保障や教育・医療の解体、労組幹部たちの腐敗、すべてが激しく衝突し、沸騰し煮えたぎっています。
 「民営化・外注化」は新自由主義の核心をなす攻撃です。しかし労働組合が容認することを通して世の中に偽装請負が蔓延(まんえん)する事態にまで至っているのが現実です。これでは「労働運動の復権」など空語です。
 われわれは、これに立ち向かい、外注化を阻止する具体的な闘いを実現することで、階級的労働運動の展望と可能性を示したいと考えました。この闘いの渦中で、若い仲間たちが動労千葉に結集し始めています。今年10月の外注化提案も阻止しました。そしてわれわれは、昨日から基地大再編・組織破壊攻撃に対する長期に及ぶであろう指名ストに突入しています。
 われわれ自身の手で、この困難な仕事をやりぬくことです。可能性に満ちた時代です。今ならできます。
 全国の職場・地域から闘う労働運動をつくり出そう。今日の集会をその新たな出発点にしよう!

■国鉄分割・民営化に反対し、1047名解雇撤回闘争を支援する全国運動  呼びかけ人 伊藤晃
 
現在の大問題は、主流労働組合の資本への追随性をどう打破するかである。連合は最近、「原子力エネルギー依存度を徐々に低減する」という立場を表明した。これは今の状況では従来の原発推進の立場を率直に表明できなくなったなかで、脱原発への対抗をこう表現したということだ。3・11災害からの資本主義的復興の道の先導役を買って出る連合の姿が見てとれる。働く者の生きる権利のために存在した労働運動は今ここまで変質した。
 一方、世界各地で民衆の意志が広く深い運動となって現れている。中近東の人民革命から、ヨーロッパ、アジア、ラテンアメリカの運動、さらにアメリカのウォール街占拠運動に至るまで、恐慌状態深化のなかで資本主義的支配構造を積極的に変革する道を切り開きつつある。日本の民衆運動をこの世界の大きな波に合流させないこと、これが日本の支配集団にとって、資本主義再建の最大の課題になっている。
 国鉄闘争全国運動は昨年、闘う労働運動の伝統を最終的に抹殺しようとする4・9政治和解に対して、この伝統を積極的に再生させる目的でつくられた。そして新自由主義が労働者を徹底的におとしめるなかで、それを怒り、労働者の権利の思想の再建を望む自立的な意志に呼びかけてきた。この運動は3・11以降の事態に広い活動の場を見出している。私たちは大きな希望をもってこの道を進んでいる。
 本日この集会に結集した全国の、また世界の労働者の闘う意志は、私たちの希望にさらに確信を与える。必要なのはただ一つ、迷うことなく私たちの道を前進することだ、と私たちは考えている。