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2001-2004

2005年11.6
全国労働者総決起集会速報
於 日比谷野音

2005年11・6アピール

 

● 2005年11・6アピール 国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏委員長

● 韓国・民主労総のゼネストを支持し連帯する特別決議

民主労総ソウル地域本部長 コジョンファンさん 発言

● ILWUローカル10執行委員 ジャック・ヘイマンさん 発言

● ジェームズ・スピノザ ILWU(国際港湾倉庫労組)中央執行委員長からのメッセージ

基調提起  2005年11・6アピール

 国鉄千葉動力車労働組合 田中康宏委員長

 9月11日、クーデター的に強行された総選挙で、労働者をとりまく情勢は一変しました。「戦後民主主義」は崩壊し、小泉は憲法改悪の発議が直ちにできる議席を手にしたのです。しかしこれはガラス細工の「勝利」に過ぎません。マスコミをあげて真実をぬり隠すキャンペーンを洪水のようにあふれさせても、自・公両党の得票は50%に満たなかったのです。
 自民党が「新憲法草案」を発表しました。「陸海空軍その他戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」と定めた憲法9条が「自衛軍を保持する」に書き替えられようとしています。これは現在の憲法を破棄するに等しいものです。日米政府は、日米安保と米軍の大再編(トランスフォーメーション)に関する中間報告を発表し、米陸軍第1軍団司令部を座間基地に移し、統合作戦司令部を置くなど、日本を東アジアや「不安定の弧」に対応する最大の戦略拠点とする準備が進められています。とくに、沖縄の新基地反対闘争の圧殺と基地機能の飛躍的強化が画策されています。そして自衛隊のイラク派兵がさらに延長されようとしています。
 国家主義が急速に台頭しています。小泉は靖国神社への参拝を繰り返し、いままでは社会の片隅に潜んでいた極右、ファシストたちが政府や財界の全面的なバックアップを得て前面に登場し、「つくる会」教科書採択などの反動的運動が組織されています。今、労働運動にとって最も危険なことは、戦争とそれに向かう様々な反動への挙国一致がつくられようとしていることにあります。
 彼らは、本気で日本を「戦争をする国」にしようとしています。われわれは大きな歴史の分かれ目にたっています。労働者の団結した闘いだけが、憲法−教育基本法の改悪を止め、戦争を止める力です。
 労働者の平均賃金は15年前の水準に後戻りしました。すでに、年収200万円以下の世帯が2割に達しています。この10年余りの間に非正規雇用労働者が激増し、女性や24歳以下の若者では50%に至っています。貧富の差が恐るべき勢いで拡大し、闘わなけれ ば生きられない現実がつきつけられています。これが小泉や奥田によってもたらされた現実です。その背景にあるのは資本主義体制の底知れぬ危機です。
 彼らは、あたかも公務員が悪の元凶であるかのようなペテンを繰り返し宣伝し、労働者の団結を分断し、労働者など非力な存在に過ぎないと思い込ませようとしています。連合や全労連の幹部たちもそれに呼応し、労働者の階級的団結を破壊する手先になり下がっています。しかし多くの労働者が、今自らの置かれた現実が仕方のないことでもどうしようもないことでもないと気付き、これをもたらした元凶が小泉であり奥田であることに気付いたとき、もはや怒りの声をおしとどめることはできません。腐りきった労働運動の幹部たちを踏みこえて、今こそ労働者の誇りと団結をとり戻そう。
 日本の労働運動にとって、これからの2年間がまさに勝負のときです。自民党や財界は、来年の通常国会で改憲に向けた「国民投票法」の制定、教育基本法改悪を強行し、07年に憲法改悪を狙っています。07年郵政民営化の強行に向けて、40万人の郵政労働者に激しい首切り選別、労組破壊攻撃が吹き荒れようとしています。並行して数百万人の公務員労働者を対象とした民営化−首切り攻撃が吹き荒れようとしています。労組の団結権を否定し、企業に一方的な労働条件変更権を与え、解雇を容認する労働契約法制の抜本改悪も07年に向け最終報告が出されています。税制の抜本改悪−大増税と社会保障制度の解体も07年です。労働者の団結も、雇用も、賃金も、年金も、全てを破壊して戦争につき進もうというのです。
 しかし、こんなことが予定どおりに進むはずはありません。何が起きてもおかしくない波瀾万丈の時代が始まろうとしています。我慢のならない怒りの声が激しく吹きだし、闘う労働運動の再生への大きなうねりが始まろうとしています。
 10月に開催された連合大会は、「国防の義務」を主張し、「徴兵制」まで肯定する新会長候補高木に対し、予想もしなかった多くの反対票が投じられ、予定されていた9条改憲推進に舵(かじ)をきる方針を提出することもできない事態になりました。
 連合をつき動かしたのは、「日の丸・君が代」強制を拒否した東京−全国の教育労働者たちの闘いであり、1047名の解雇撤回を闘う国鉄労働者の闘いであり、沖縄を先頭とした自治労組合員の闘いでした。この職場からの決起が全国の無数の怒りの声と結びついて巨大な波紋を広げ、「護憲」方針を投げ捨てようとしていた日教組や自治労の大会でそれを許さなかったのです。
 私たちは、JR尼崎事故に対する安全運転闘争のなかからもそれを実感としてつかみとりました。全国からの予想をこえた反響と支持の声は、形は違えど、市場原理の暴走と民営化攻撃のなかで苦しみ、労働運動の再生を願う切実な思いでした。
 全日建関西地区生コン支部は、委員長をはじめ6名の執行部を1年近くも獄中に奪われるという大弾圧を毅然(きぜん)とはね返して闘いをさらに拡大しています。港合同は、「団結こそ命」を掲げ、矛盾が集中する中小・零細企業に働く仲間を地域で組織しています。全金本山労組は、34年間の闘いを貫いてついに解雇撤回・職場復帰の歴史的勝利をかちとりました。国鉄1047名の解雇撤回闘争が、闘いの圧殺を狙う9・15反動判決をのりこえて18年間の闘いを貫き、大民営化攻撃の前にたちはだかっています。そして今日ここに日本と韓国とアメリカの労働者が結集し、心をひとつにして国際的な連帯を誓い、共通の敵に向かって闘うことを決意しています。アメリカではAFL−CIOが分裂する状況のなかで、AMFAの仲間たちがすでに80日間にわたるストライキを闘いぬいていま す。韓国・民主労総の仲間たちは、非正規職権利保障立法実現を求めて、この11月にもゼネストにたちあがろうとしています。全世界の労働者が同じ攻撃に直面しています。その背景にあるのは、戦争をする以外に体制を維持することができなくなった資本主義の危機です。労働者を食わしていくこともできなくなった支配の崩壊です。
 敵の側が山ほどの矛盾を抱え、怒りの声が充満しています。だから一点の火花が燎原(りょうげん)を焼き尽くすように燃えひろがるのです。予想もつかない可能性を秘めた情勢が到来しています。日本の労働者はいま暴風雨のなかにいます。しかし、労働運動再生への胎動は、動と反動が逆巻く激しい分岐と流動のなかからしか生まれません。
 いま何よりも求められているのは、小泉政権による激しい労働組合破壊攻撃と対決し、労働運動の現状を変革することです。全世界の労働者が共通の敵に向かって手を結び、団結をとり戻し、労働組合を甦(よみがえ)らせることです。
 いま労働者は、全世界で団結し、連帯して新しい時代を見いだす力をとり戻そうとしています。今こそ、戦争と民営化−労組破壊の大攻撃に抗し、労働運動の再生を実現しよう。怒りの声をたぎらせて支配の厚い壁を突き破ろう。労働者の団結した力は決して打ち砕かれることはない。もっと怒りの声をあげよう! 団結しよう! 闘いを組織しよう! 小泉反動内閣を打倒しよう! 日米韓労働者の国際的団結を発展させよう!

韓国・民主労総のゼネストを支持し連帯する特別決議

 韓国・民主労総は、非正規職関連法の制定と、労働者の団結権・争議権を弱体化する「労使関係ロードマップ」に反対してゼネストにたちあがろうとしている。今、ゼネストの賛否を問う組合員投票の渦中にあり、11月13日の労働者大会で日程が発表されようとしている。
 ノムヒョン政権は、すでに多くの組合幹部や組合員の逮捕、重軽傷者をだすような集会への警察権力の襲撃などを強行し、闘いを圧殺しようとしている。
 韓国では、7割の労働者が非正規職に突き落とされており、民主労総70万は、この現実に組織の総力をあげてたち向かっている。これは、全世界の労働者の闘いの最先端に位置するものである。
 また、民主労総は、こうした状況のなかプサンで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議反対闘争を全力で取り組もうとしている。
 韓国の労働者が直面する課題は、全世界の労働者の共通の闘いの課題である。そしてその闘いは、われわれの進むべき道を示している。
 従ってわれわれは、本集会の全参加者の名をもって、韓国・民主労総の11・13労働者大会、APEC反対闘争及び、非正規職関連法制定阻止のゼネストを支持し、ともに連帯して闘うことをここに決議する。

民主労総ソウル地域本部長 コジョンファンさん

 労働兄弟・姉妹の皆さん。戦争と失業、資本の世界化攻撃に対し労働解放のために闘っている同志の皆さん。闘いの現場で同志たちと再びお会いできることを大変うれしく思います。
 全地球的レベルの反動的かつ反労働者的な超国籍資本の世界化は労働者民衆の暮らしをがけっぷちに追い込んでいます。帝国主義国家の野望に満ちた戦争と、労働者民衆に対する搾取は全世界の民衆を苦痛のどん底に突き落としています。
 韓国の場合も、こうした超国籍資本と、その下手人になりはてた政権によって、労働者への無慈悲な攻撃が続けられています。ノムヒョン政府は「年内になんとしても非正規立法を完成させる」という確固たる方針を打ち出しています。
 ノムヒョン政権は、新自由主義を貫徹するために、闘う労働者に無慈悲な暴力を加えています。資本と政権の弾圧に対し、民主労総は全組合員賛否投票を皮切りに、強力なゼネスト闘争を組織しています。もちろん、今年初めに起こった不正事件と、特に、少し前に発生した民主労総の主要幹部の不正事件によって、民主労総は非常対策委を立ち上げるなど、内外で厳しい状況を抱えています。しかし、困難な時代を迎えるたびに、あらためて労働者の闘いの原則を胸に刻み、血だらけの匍匐(ほふく)前進で戦線を切り開いてきた韓国民主労組運動の誇るべき伝統と、現場で民主労総の旗を死守するために闘っている労働者たちの力で、わが民主労総は、もう一度闘いの旗を掲げようと頑張っています。弾圧が強まるほど、われわれの闘いも一層強固になるのです。
 2005年後半には、11月のAPEC首脳会談、12月の香港WTO閣僚会議など、重要な反世界化闘争の契機が待ち受けており、新自由主義に対する全世界の労働者の連帯闘争が一層切実に求められています。米日同盟とノムヒョン政府によって拡大する戦争と世界化に反対し、そしてアジア民衆の連帯をとおしたもう一つの世界化に向けた闘いによって、労働者は国境を越え、真の階級的団結を実現しなければなりません。
 全地球的なレベルでかけられている資本の攻撃を粉砕するため、それぞれの国で階級的に団結して闘いましょう。そして労働者国際連帯を強化しましょう。闘う労働者に国境はありません。プサンで、香港で、そして超国籍資本の収奪が行われているすべての場所で、労働者階級の国際的団結の旗をはためかせましょう。その闘いに、韓国の労働者、民主労総が先頭に立つよう頑張ります。
 労働運動の階級的団結万歳! 全世界の労働者の国際連帯万歳!

ILWUローカル10執行委員 ジャック・ヘイマンさん

 国家主義と帝国主義が野放図な展開を見せ、新自由主義的「自由貿易」協定と帝国主義戦争がすべての労働者を脅かしていますが、私たちは、これに対決しなければなりません。
 アメリカでは今年、労働組合運動が分裂しました。AFL−CIOも新たに生まれた「勝利のための変革連合」も、雇用者との「パートナーシップ」という危険で間違った幻想をあおっています。両者は、ILWUが提起してきたような独立した労働者の党という考えに賛成ではありません。両者ともに帝国主義国家に頭(こうべ)を垂れ、そのイラクでの戦争や労働組合の権利・市民的権利の抑圧に屈しています。両者とも、ノースウエスト航空の整備士のストライキを支持していないのです。
 PATCO(航空管制官組合)が1981年にストに立ち上がった時、当時の大統領ロナルド・レーガンが指導者の逮捕を命じ、彼らを奴隷のように鎖でつなぎ手錠をかけさせた。PATCOのピケラインを順守した組合は一つとしてありませんでした。現在のアメリカ労働組合運動の崩壊の原因は、この惨たんたる一大敗北にさかのぼることができます。
 雇用者階級の意を体して資本家政府が労組破壊のために介入したケースとしてILWUの例があります。世界貿易センターへの9・11攻撃から6カ月後、2002年の労働協約交渉の時のことです。ラムズフェルド国防長官とリッジ国土安全保障省長官は、もし港湾労働者がドックでなんらかの行動に出るならば、軍が港を占拠すると警告したのです。それを受けて、海運会社はアメリカ西海岸のすべての港を閉ざし、港湾労働者をロックアウトしました。カリフォルニア選出の民主党上院議員ファインシュタインは、タフト・ハートレー法の発動を呼びかけました。タフト・ハートレー法は、労働者にスト権なしに仕事に戻り、労働協約交渉を続けるよう強制する反労働者的法律です。
 政府と経営者が一体となったそうした恐るべき攻撃に対して、労働者はどのように反撃することができるのでしょうか。10年前イギリスで、ピケを越えなかったとして500人のリバプール港湾労働者が首を切られました。彼らは勇敢な闘いに立ち上がり、私たちはリバプールの港湾労働者に連帯し、スト破り要員によって荷積みされたイギリスからの船の荷役を拒否しました。港湾労働者はカナダでも日本でも、その船の荷役を拒否したのです。
 全世界の労働者が、お互いの組合の闘いを守るために行動において団結するならば、われわれは勝利できます。だから私たちILWUは言うのです。「一人への攻撃は皆への攻撃」と。
 組合つぶしの民営化粉砕! イラク戦争を終結せよ! 全占領軍は今すぐ撤退せよ! すべての運輸労働者の国際主義万歳!

ジェームズ・スピノザ

 ILWU(国際港湾倉庫労組)中央執行委員長からのメッセージ

田中康宏委員長と兄弟のみなさん
 AMFAの件と11・6連帯集会についての8月29日付の手紙ありがとうございます。あなた方のAMFA労働者への支援は、とても励みになり本当に感謝しています。
あなた方の手紙は、日本の鉄道労働者が規制緩和と民営化によって直面している問題と、またそのことが乗客に惨事をもたらす結果となった事実を指摘しています。このような惨憺たる結果にも拘わらず、国はこれらの政策をとり続け、その歴史を繰り返し続けていることは全く残念なことです。わが国においても規制緩和は労働者とその家族の生活水準を著しく押し下げ、また周辺の地域と労働者双方に対して重大な安全上の危険を生じさせています。
 あなた方と肩を並べ団結して闘う課題である戦争と民営化、組合つぶしに抗する11・6集会への丁重な招請に厚く御礼申し上げます。
残念ながら、スケジュールにより私自身は参加することができません。 しかしながら、私たちの心はあなたと組合員のみなさんとともにあります。
 ご承知のように私たちは、我が組合員の労働に依存している企業主による拡大するグローバリゼーション(国際化)と立ち向かうことが、必要不可欠であることを充分にわきまえつつ、国際連帯を長年に渡り維持していました。私たちは、組合員の権利と利益を守るためになくてはならない国際的な同盟関係の建設をこれからも継続していきます。
 重ねて、あなた方のご招待に感謝し、ご成功をお祈りします。
 連帯を込めて
2005年10月27日
  ジェームズ・スピノザ
  中央執行委員長

 

 

 

 

 

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集会へ寄せられたメッセージ

発言の一部をホームページ編集委の要約で速報しました。くわしく、また正確には近日発行予定の集会をまとめたパンフレットをご覧ください。
寄せられたメッセージなどもパンフレットなどで掲載予定。